「コロニーシムは複雑。若い人も気軽に楽しめて経済に興味が湧くゲームを作りたかった」ネズミ建築シム『Ratopia』【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「コロニーシムは複雑。若い人も気軽に楽しめて経済に興味が湧くゲームを作りたかった」ネズミ建築シム『Ratopia』【開発者インタビュー】

気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Cassel Games開発、PC/Mac向けに5月1日にリリースされたネズミ建築シミュレーション『Ratopia』開発者へのミニインタビューをお届けします。

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「コロニーシムは複雑。若い人も気軽に楽しめて経済に興味が湧くゲームを作りたかった」ネズミ建築シム『Ratopia』【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Cassel Games開発、PC/Mac向けに5月1日にリリースされたネズミ建築シミュレーション『Ratopia』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、ネズミの女王となり、市民たちが幸福に暮らせる社会の構築を目指す都市建設シミュレーション。自分なりの政策で市民に仕事と賃金を与え、経済を回しつつ、都市の周辺や地下を探索したり、訓練した兵士で外敵を撃退したりして都市を大きくしていきます。日本語にも対応済み。

『Ratopia』は、2,300円で配信中


(日本語で回答いただいたので、最低限の編集で掲載いたします)

――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

ソンジン こんにちは、Game*Spark読者の皆さん!私は韓国でインディーゲームを開発しているCassel Gamesの代表、ファン・ソンジンと申します。子どもの頃から多くのゲームに触れ、友人たちに自作のゲームを見せて楽しんでもらううちに、自然とゲーム開発者の道を選ぶようになりました。

「一番好きなゲーム」を一つに絞るのはとても難しいですが、最も多くプレイしたゲームであれば、迷わず『リーグ・オブ・レジェンド』だと言えます。

――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?

ソンジン 本作の開発を始めた当時は、コロナ禍、仮想通貨ブーム、そして私が社会人になって初めて本格的に「税金」という現実と向き合う時期でした。そうした体験から、経済に関するテーマをゲームに盛り込んでみたいと思ったんです。若い世代のプレイヤーにも、ゲームを通じて経済の仕組みに自然と興味を持ってもらえたらと考えました。経済を題材にしたゲームは少なく、あっても複雑なものが多いので、『Ratopia』ではもっとカジュアルに経済を体験できることを目指しました。

――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?

ソンジン 主なゲームメカニクスは『Oxygen Not Included』『RimWorld』『Craft The World』といったコロニーシム系の作品から多くの影響を受けました。キャラクターたちが自律的に行動する様子を眺めるのがとても楽しくて、大好きなジャンルです。

ただ、これらのゲームは素晴らしい作品ではあるものの、難易度が高く初心者にはハードルが高いという意見も多くありました。そこで、もっと手軽に楽しめる方向性を模索し、『ドラゴンクエストビルダーズ2』のアプローチをとても参考にしました。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

ソンジン 私は、ネズミたちが働きながら自給自足で生活していく世界を作りたくて、居酒屋、木工所、農場などを建設し、市民を配属する仕組みを作りました。すると、他のネズミたちがニーズに応じてそれらの施設を訪れ、お金を支払って取引する、という経済の流れができるようになります。

しかし、テスト中に食料不足の町で農夫のネズミが長時間かけて収穫を終えた瞬間、空腹のネズミたちがゾンビのように農場へ殺到し、収穫した作物を全て食べ尽くしてしまいました。その農夫ネズミは稼ぎは良かったものの、自分の食料がなくて餓死してしまったんです。思わず笑ってしまう光景でしたが、それをきっかけに、現在のように生産物を倉庫に納品し、そこから販売される方式へと仕様を変更しました。

――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。

ソンジン AIや操作性、ゲーム内の説明の不足に関して、たくさんのご意見をいただきました。例えば、ネズミたちが作業中に孤立してそのまま死んでしまったり、建物を移動させるのに非常に手間がかかったり、説明が足りなくて間違ったプレイに繋がることもありました。

そんな中でも特に印象に残っているのは、「ネズミたちがちょっとバカでも、かわいいから許せる」という温かくてユーモアのあるコメントでした。とても励まされました。

――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。

ソンジン もちろん、「かわいい」だけではいつまでも許されません(笑)。今後はAIの改善、操作性の向上、ゲーム内説明の強化を優先的に進めていきます。また、「主人公キャラクターはなぜ女性だけなのか?」という声も多かったため、男性の指導者キャラクターも追加予定です。その後は、ユーザーの皆さんのアイデアや、私たちが時間の都合で実装できなかったコンテンツも少しずつ追加していく予定です。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

ソンジン はい、Cassel Gamesの全ての作品は自由にストリーミング・収益化していただいて構いません!『Ratopia』の感想や街づくりの工夫を他のプレイヤーと共有していただけると、とても嬉しいです。ゲームを通じてたくさんの人に楽しさと幸せを届けることが、私たちの願いです。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

ソンジン 本作が日本でこれほど多くの関心を集めたことに、心から驚き、感謝しています。2023年に初めてBitSummitと東京ゲームショウに参加し、拙い日本語でご挨拶しながらステッカーを配ったことは、今でも鮮明に覚えています。

そんな私たちに温かく接してくださった日本の皆さん、本当にありがとうございます。これからも皆さんに楽しんでいただける、素晴らしいゲームを届けられるよう、全力で頑張ります!

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について

本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。


ライター:Chandler,編集:宮崎 紘輔

ライター/バイク乗り Chandler

ゲームと風をこよなく愛する暇人。趣味は多い方だったはずが、最近は家でぼーっとしている時間が増えてきた気がしている

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編集/タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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